イギリスに旅行する人に向かって「あら、いいわね」というと、たいてい「まあ、あそこは食事がおいしくないけどね」などと返ってくる。実際イギリスから帰ってきた人に聞いても、なんだか全部が大味でお世辞にも美味とはいいがたいのだとか。だいたいイギリスの料理と聞いて思い浮かぶのは、街角で売られているフィツシュアンドチップスぐらいだ。英国人にお国料理を聞いても「肉はオーブンでロースト、野菜はひたすら煮込み、塩で味つけておしまい」という、いたってシンプルなもの。これはどうやら、子供のころから贅沢なものを食べさせるのはただ甘やかしている証拠、子供はどちらかというとやせているほうが健康だという考えが、この国に根強く残っているかららしい。ふだんの食事は最低限体に必要なものを摂取すればいいのであって、大人になっても、食事についてあれこれいうことは、紳士淑女にはふさわしくないと思われているからだそうだ。しかしそんなイギリスにも、ちょっとしたグルメ・ブームが起きている。その名も「フュージョン・クッキング」(融合料理)。伝統的なイギリスのメニューと世界各地の料理法をミックスさせた、新しい料理だ。イギリス人のデザイナー、コンラン氏の経営するレストラン、フランス人シェフのノペリ氏のレストラン、高級百貨店が始めたレストランなど次々とオープンし、予約もかなり先までいっぱいだそうだ。いっぽうテレビの料理番組も高視聴率を記録し、書店では料理本がベストセラー入りしている。このブームの背景には、近年の好況と、狂牛病騒動などで人々の食への関心の高まりがあると分析する人もいるが、いずれにしても旅行の楽しみが一つ増えたことだけは確かだ。
忙しいニューヨークでは、食事は早く、安く、旨いことが必須条件だ。そんなニューヨークらしい食事といえば、5〜7番街やウォール・ストリートの街頭に出る、ベーグルパンやマフィンを売る「ベンダー」(屋台)である。そして昼食や夜食は、パテやテリーヌ、マリネ、パスタといった惣菜を小さなパックに詰めて売ってくれる「デリ・ショップ」がいつも混み合っている。また最近、ニューヨークで増えているのがショップとカフェを組み合わせた新しいスタイルの店舗で、書店とカフェを組み合わせた「バーンズ&ノーブル」、大型CD店とカフェを組み合わせた「ヴァージン・カフェ」「ヴォイス・カフェ・アット・タワー」(タワーレコード)、あるいは新聞を置くニューススタンドとカフェを組み合わせたり、コインランドリーとカフェを組み合わせたものまで登場している。また映画スターやバイク、ファッションなど、特定のテーマに絞って、ティーなどが楽しめるのだ。
観光スポットとしては、十和田湖とそこから流れ出る奥人瀬渓谷の人気が高い。とくに、奥人瀬の紅葉は日本列島でもっとも美しい風景のひとつ。観光みやげとしては、特産のリンゴをまるごとパイのなかに包み込んだ弘前のラグノーの「気になるリンゴ」が大ヒット作。県民性をあらわす言葉として必ずいわれるのが「じょっぱり」というもので、辛抱強く意地っ張りといった意味である。とくに、津軽人は酒などはいるとくだを巻くことが多いといわれる。抑えられた子不ルギーの爆発だが、この気質が青森市の「ねぶた」のような祭りを生んだ。武者絵などを描いた大型の灯寵を引いて練り歩くもので、いまでは、市内の「ねぶたの里」で一年中みることもできる。相撲の初代若乃花、貴ノ花兄弟は弘前出身。作家の太宰治、歌手の淡谷のり子に吉幾三、版画家の棟方志功などいかにも青森県らしい個性が光る。